時の制約

シナリオ

【導入】2017年11月末

探索者たちは来週の3連休を利用して車で3時間ほどの所にある遊園地【コスモスパーハイランド】に遊びに行く算段を立てている。【コスモスパーハイランド】は12月2日にオープンする最新の遊園地で、探索者達は初日のチケットを運良く手に入れられたのだ。近くには温泉地もあるため、折角なので2泊3日の小旅行をしようと、計画を立てに飲食店に探索者たちが集まった所からシナリオはスタートする。

探索者たちがスマホで宿泊する宿を探しても、3連休直前ということもあり良い宿が見つからない。しかし1人の探索者が【貞本荘】という小さいペンションを見つけて予約することになる。安い割に料理が美味しく、温泉も悪くないとの口コミを見つけることができるだろう。

  • 【貞本荘】について更に詳しく調べる《図書館》《コンピューター》
    掲示板などでも評判のいいペンションである。最近リニューアルオープンをしたようだが、1年以上前の口コミは見かけない。
  • 【貞本荘】の近くの観光地などを調べる《図書館》《コンピュータ》《ナビゲート》
    徒歩圏内に【長岡邸】と呼ばれる、変わった品物を集めた邸宅があり、館主がコレクションを公開しているらしいことがわかる。

【探索】1日目

探索者たちは朝から車で【コスモスパーハイランド】に向かう。
遊園地には最新の絶叫マシンやお化け屋敷など、様々なアトラクションがあり、探索者たちは1日を楽しく過ごすだろう。KPは探索者が望むように遊園地で遊んでもらい、適当なタイミングで時間を経過させる。

17時ごろになると、探索者の1人(宿の予約を行った者が望ましい)にチェックイン時間が17時半であったことを思い出させる。【貞本荘】までは【コスモスパーハイランド】から車で30分ほどかかるため、探索者が【貞本荘】に電話をすることもあるだろう。

【貞本荘】に電話をすると『貞本』が対応をし、老紳士と思われる声で丁寧な対応をされるだろう。探索者たちが遅れることを伝えると、「夕食が17時半からなので間に合うように来て欲しい」と探索者たちに告げるだろう。

  • <強制ロール>電話をした探索者《アイデア》(中国語を20以上持っていれば自動成功)
    対応した男性の日本語が少し鈍っており、日本人ではないかなと思う。

探索者たちの車が25分ほどの山道を走ったところで、運転をしている探索者は【長岡邸】を見つける。その建物はカラフルかつ異様な外観をしており、常人が住んでるようには思えないだろう。事前に【長岡邸】を知っている探索者なら、ここがその【長岡邸】であるということに気づいてもいい。

貞本荘・外観

更に5分ほど車を走らせると、【貞本荘】に到着する。【貞本荘】は古風な洋館であり、中々古い建物のようだと探索者達は思うだろう。

  • 【貞本荘】の建物を詳しく見る《歴史》《芸術(建築系)》
    建物は1950年ごろに立てられたものであることがわかるだろう。
    しかしここ1,2年位で、ところどころ改修された様子がうかがえる。

【貞本荘】のドアに入ると、そこはロビー兼フロントになっている。

貞本荘・ロビー

ロビーは10畳ほどの広さで、カーペットに覆われている洋間である。
受付にブザーあり、押すと『貞本』の私室となっている2階とキッチンに音が鳴るようになっている。また、ロビーからは食堂と2階への階段、客室の廊下につながっている。

小綺麗なソファとサイドテーブルが設置されており、その傍らには暖炉に火が灯っている。しかし何より目につくのは、壁沿いに設置された高さが2mほどもある大きな柱時計だ。

AF【時の時計】(キーパーコンパニオンP58改変)
針が4本付いている、高さが2mほどもある柱時計。時計の文字盤の下部は扉状に開くようになっており、内側からだけ開けられる鍵がかかっている。外から開けるためには【フサンの謎の七書】の7巻に記載されている呪文【時計の扉を開ける】を唱える必要がある。

ロビーのベルを鳴らすと、食堂から『貞本』が出てくる。
彼は丁寧な言葉遣いで探索者達のチェックインの対応を行い、夕食の会場である食堂に案内をするだろう。

  • <強制ロール>探索者全員《アイディア》
    彼の言葉遣いから日本人に見えるが、日本人ではないと思うだろう。
    (探索者が中国国籍なら自動成功で中国語の訛りだとわかっても良い)

貞本荘・食堂

10畳ほどの洋室で10人がけの大きな長机が1つ置かれ、壁には薄型テレビが設置されている。キッチンの様子は食堂から覗けるようになっている。

探索者達が食堂に入るとビーフシチューのいい匂いが部屋中を漂わせているだろう。

長テーブルには既に『紺堂奈々』が座っている。
派手な黄色のワンピースを着ているが、なかなかの美少女でとても愛嬌がある。

『奈々』は探索者達の姿を見つけると、少し緊張した面持ちで話しかけてくる。

「初めまして、紺堂奈々です。紺色のお堂で紺堂、大きいに示すを重ねて奈々です。
この宿、温泉と料理がすっごくいいって聞いて、1人で旅行にきたんです。
でも、他にお客さんはいないみたいで…よかったら旅行中だけでも仲良くしてくださいね!」

そう言って探索者達に向かってニコリと笑いかける。

  • <強制ロール>
    PC1の<アイディア>成功
    →紺堂奈々とは初めて会ったのに初めて会った気がしない。不思議な感覚に陥る。
    PC2,3の<アイディア or 心理学>成功
    →<アイディア>成功:紺堂奈々はPC1をやけにチラチラ見ている。に対して何故か特別な好意を寄せているように感じる。
    →<心理学>成功:紺堂奈々はPC1に対して何故か特別な好意を寄せているように感じる

自己紹介が終わると、『貞本』がキッチンから夕食を運んで来て夕食が始まる。食事中は、『奈々』と会話をすることができる。

  • 同行者について尋ねる
    「一人できたのよ。お母さんと喧嘩しちゃって・・・」
  • 到着時刻を尋ねる
    「今日あなた達が到着する少し前(16時頃)に着いたわ。」
  • 年齢を尋ねる
    「20歳よ。誕生日は明々後日(12月5日)で21歳になるわ」
  • 家族について尋ねる
    「お母さんと2人暮らしよ。お父さんは私が生まれる前日に火事で無くなってしまったらしくて、顔は知らないの」
  • 職業について尋ねる
    「隣街にある、永見(ながみ)女子大学の中国語学部で大学生をしているのよ」
  • 滞在期間について尋ねる
    「2泊したら帰ろうと思っているの」
  • 明日の予定について尋ねる
    「【長岡邸】と言うところに行ってみようと思ってるの。よかったら皆さんも一緒に行ってみませんか?」
  • 【長岡邸】について尋ねる
    「ここから歩いて5分ほどの所にある、色々な面白いものを収集して展示している建物らしいの」

※KPはここで少なくとも、奈々の年齢・奈々の誕生日・奈々の父親(長岡)の死因についての情報を出すこと。PLからの質問が来るように上手く誘導するといい。難しい場合は、貞本から話題を振るようにしても良い。

また、『PC2』が奈々を占うと言いだすかもしれない。
その場合は以下の情報を与え、占い結果を出す。

  • 《芸術(占い)》《天文学》など
    奈々の現在の年齢から逆算した生年月日と名前で占う(1997年12月5日)
    →成功失敗問わず、よく分からない
    奈々の正しい生年月日で占う(2017年12月5日)
    →成功すると、彼女は近い将来不幸が訪れると出る

一通り会話をすると、『奈々』は部屋に戻る。
探索者達にも1室ずつ部屋が割り振られ客室に戻るだろう。

貞本荘・客室

客室はベッドが1つと暖房器具、物書き机といった簡素な作りになっている。
特に気になるものはないだろう。

探索者達が『奈々』の部屋に向かおうとすると、彼女は風呂に入っているようで部屋にいない。荷物を漁ろうと奈々の部屋に入ると、奈々の荷物は何もないことに気づくだろう。
それについて奈々に聞くと、母親と喧嘩して家出同然で出てきてしまったと答える。

貞本荘・浴室

男湯と女湯に分かれている。
一度に3人くらいが入れる作りになっている。

風呂を上がると奈々は白いワンピースを着ている。

  • <強制ロール>風呂上がりの『奈々』に会った探索者《目星》
    『奈々』に対して何か違和感を感じる
    (クリティカル:奈々は風呂上りなのに持ち物が少ない気がする)

貞本荘・2階(貞本の私室)

また、夜間に2階に行くと『貞本』がいる。探索者達は彼に【時の時計】や【貞本荘】について尋ねるかもしれない。

  • 名前を尋ねる
    「貞本平です。本名は趙 平ともうします。」
  • 年齢を尋ねる
    「72歳です。」
  • 【貞本荘】について尋ねる
    「妻が死んでから長年営業を休んでいたのですが、2年前に改装オープンいたしました。」
  • 【時の時計】について
    「昔インテリア用に購入したものです。詳しくはわかりませんが、不思議な魅力がありますよね。」
  • 【時計の鍵】について
    「もともとありませんでした」
  • 【時の時計】について<心理学>
    明らかに時の時計について話すのを嫌がっているように感じる。
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